背中が痛い
背中・腰の痛みについて
背中や腰の痛みには、筋肉や骨、神経などさまざまな原因がありますが、泌尿器科の病気が関係していることもあります。
特に、腎臓や尿管に異常がある場合には、脇腹から腰、背中にかけて痛みが現れることがあります。代表的な泌尿器科の病気として、尿路結石や腎盂腎炎などがあります。
尿管結石では、突然、腰や脇腹に強い痛みが現れ、下腹部や鼠径部まで痛みが広がることがあります。また、血尿や吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。
腎盂腎炎では、腰や背中の痛みに加えて、発熱、悪寒、全身倦怠感、吐き気などを伴うことがあります。
一方、背中や腰の痛みは、筋肉や骨・神経の病気のほか、消化器や呼吸器など、泌尿器科以外の病気によって生じることもあります。
症状だけで原因を判断することは難しいため、突然の強い痛みがある場合や、痛みが続く場合、血尿、発熱・悪寒、排尿時痛、吐き気・嘔吐などを伴う場合には、尿路結石や尿路感染症などが関係している可能性があります。
気になる症状がある場合には、早めに泌尿器科へご相談ください。
背中が痛いときに考えられる主な泌尿器科の病気
背中や腰の痛みは筋肉や骨などが原因となることも多いですが、腎臓や尿管などの泌尿器科疾患が関係している場合があります。
尿管結石
腎臓でできた結石が尿管へ移動し、尿の流れを妨げることで、突然強い腰背部痛や側腹部痛を起こすことがあります。痛みが下腹部や鼠径部まで広がったり、血尿や吐き気、嘔吐などを伴ったりすることもあります。
自然排石が期待できる場合には、症状を確認しながら鎮痛薬などで経過をみることがあります。一方、結石の大きさや位置、症状などによっては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的尿管砕石術(TUL)などの治療を検討します。
また、尿路閉塞に感染を伴う場合には、尿管ステントや腎瘻によって尿の流れを確保する緊急処置が必要になることがあります。
急性腎盂腎炎
腎盂や腎臓に細菌が感染して炎症を起こす病気です。発熱や悪寒、全身倦怠感、腰や背中の痛み、吐き気などがみられ、頻尿や排尿時痛などを伴うこともあります。
抗菌薬による治療を行いますが、症状や全身状態によっては、点滴治療や入院が必要になることがあります。
また、尿管結石などによる尿路閉塞を伴う場合には、尿管ステントや腎瘻によって尿の流れを確保する緊急処置が必要になることがあります。
腎盂尿管移行部狭窄症
腎盂から尿管へ移行する部分が狭く、尿が流れにくくなることで水腎症を起こす病気です。
症状がないこともありますが、腰や背中の痛み、血尿、尿路感染症などを起こすことがあります。
症状がなく、腎機能への影響がみられない場合には経過観察を行うことがあります。一方、痛みや尿路感染症を繰り返す場合、水腎症が悪化する場合、腎機能への影響がみられる場合には、腎盂形成術などの治療を検討します。
腎盂・尿管がん
腎盂や尿管の内側を覆う粘膜に発生する悪性腫瘍です。
代表的な症状は血尿ですが、初期にはほかの症状がみられないこともあります。腫瘍によって尿の流れが妨げられ、水腎症を起こすと、腰や背中に痛みが現れることがあります。
病状やがんの広がりなどに応じて、腎尿管全摘除術などの手術療法や薬物療法を検討します。
腎がん
腎臓に発生する悪性腫瘍です。初期には自覚症状がないことも多く、健診や画像検査などで偶然見つかることもあります。
症状が現れた場合には、血尿や腰・脇腹の痛みなどがみられることがあります。
病状やがんの大きさ・広がりなどに応じて、腎部分切除術や腎摘除術などの手術療法、薬物療法などを検討します。
前立腺がん
前立腺に発生する悪性腫瘍です。早期には自覚症状がほとんどないことも多く、PSA検査などをきっかけに発見されることがあります。
進行すると、排尿しにくい、血尿などの症状がみられることがあり、骨に転移した場合には腰や背中に痛みが生じることがあります。
進行度や悪性度、PSA値、年齢、全身状態などを総合的に評価し、患者さんのご希望も踏まえて、監視療法、前立腺全摘除術、放射線治療、ホルモン療法をはじめとする薬物療法などから治療方法を検討します。
専門的な治療が必要と判断した場合には、適切な専門医療機関をご紹介します。
背中の痛みが続く場合はご相談ください
背中や腰が痛いからといって、必ずしも泌尿器科の病気やがんが原因というわけではありません。
一方で、突然の強い痛み、血尿、発熱・悪寒、排尿時痛、吐き気・嘔吐などを伴う場合には、尿管結石や尿路感染症などが関係している可能性があります。
必要に応じて尿検査や超音波検査、CT検査などを行い、原因を確認します。専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関をご紹介します。
下腹部が痛い
下腹部の痛みについて
下腹部の痛みは、膀胱や尿管、前立腺などの泌尿器科の病気によって起こることがあります。
特に、排尿時や排尿後に痛む、尿がたまると痛む、頻尿、排尿時痛、血尿、残尿感などを伴う場合には、泌尿器科疾患が関係している可能性があります。
一方で、下腹部の痛みは、腸炎や虫垂炎などの消化器疾患、女性では子宮や卵巣などに関係する婦人科疾患など、泌尿器科以外の病気によって起こることもあります。
強い痛みが続く場合や、発熱、吐き気・嘔吐、血尿、尿が出にくい・出ないなどの症状を伴う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
下腹部が痛いときに考えられる主な泌尿器科の病気
膀胱炎
一般的な急性膀胱炎では、膀胱に細菌が感染して炎症を起こします。女性に多く、排尿時痛、頻尿、残尿感、血尿、下腹部の痛みや不快感などがみられます。
細菌性膀胱炎では、症状や尿検査の結果に応じて抗菌薬による治療を行います。
腎盂腎炎
腎盂や腎臓に細菌が感染して炎症を起こす病気です。発熱や悪寒、全身倦怠感、腰や背中の痛み、吐き気などがみられ、頻尿や排尿時痛、下腹部痛を伴うことがあります。
抗菌薬による治療を行いますが、症状や全身状態によっては、点滴治療や入院が必要になることがあります。
また、尿管結石などによる尿路閉塞を伴う場合には、尿管ステントや腎瘻によって尿の流れを確保する緊急処置が必要になることがあります。
尿管結石
腎臓でできた結石が尿管へ移動し、尿の流れを妨げることで、突然強い腰背部痛や側腹部痛を起こすことがあります。痛みが下腹部や鼠径部まで広がったり、血尿や吐き気、嘔吐などを伴ったりすることもあります。
自然排石が期待できる場合には、症状を確認しながら鎮痛薬などで経過をみることがあります。一方、結石の大きさや位置、症状などによっては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的尿管砕石術(TUL)などの治療を検討します。
また、尿路閉塞に感染を伴う場合には、尿管ステントや腎瘻によって尿の流れを確保する緊急処置が必要になることがあります。
膀胱結石
膀胱内に結石ができる病気です。下腹部痛、排尿時痛、頻尿、血尿、尿が途中で途切れるなどの症状がみられることがあります。
結石の大きさや症状、自然に排出される可能性などを確認し、必要に応じて内視鏡を用いて結石を砕いて取り除く経尿道的膀胱結石砕石術などを行います。
前立腺炎
前立腺炎には、細菌感染によって急激に発症する急性細菌性前立腺炎や、下腹部や会陰部などの痛み・違和感が長期間続く慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群などがあります。
急性細菌性前立腺炎では、発熱や悪寒、排尿時痛、頻尿、下腹部痛、会陰部痛などがみられることがあります。症状や全身状態によっては、点滴や入院での治療が必要になる場合もあります。
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群では、下腹部や会陰部の痛み・違和感、頻尿、残尿感などの症状が長期間続くことがあります。
症状や原因、検査結果などを確認し、それぞれの状態に応じて治療を行います。
精巣上体炎
精巣のそばにある精巣上体に炎症が起こる病気です。片側の陰嚢の腫れや痛みが主な症状ですが、鼠径部や下腹部に痛みを感じることもあります。
原因や症状に応じて治療を行います。
突然の強い陰嚢痛がある場合には、緊急の治療が必要となる精巣捻転との鑑別が重要なため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群
尿路感染症など、ほかの明らかな原因がないにもかかわらず、膀胱や下腹部の痛み・不快感、頻尿などが続く病気です。
尿が膀胱にたまると痛みや不快感が強くなり、排尿すると軽くなることがあります。
症状や検査結果などを確認し、生活習慣の調整を含め、患者さんの状態に応じた治療を行います。必要に応じて、専門的な検査や治療を検討することもあります。
尿閉
膀胱に尿がたまっているにもかかわらず、自力で尿を出せなくなった状態です。
急性尿閉では膀胱が強く張り、強い下腹部痛や苦しさを生じることがあります。
尿がまったく出ない場合には、尿道カテーテルなどで膀胱にたまった尿を排出する処置が必要になることがあります。その後、前立腺肥大症など尿閉を起こした原因を調べ、状態に応じて治療を行います。
尿がまったく出ず、下腹部が強く張って痛む場合には、早めに泌尿器科を受診してください。
骨盤臓器脱
腟から何かが下がってくるような感覚、骨盤周囲の重い感じや圧迫感、排尿しにくい、残尿感などがみられることがあります。症状によっては、下腹部や腰まわりに不快感を感じることもあります。
症状や程度に応じて、骨盤底筋訓練、ペッサリー療法、手術などを検討します。
背中が痛い、
下腹部が痛いときの検査
背中や下腹部の痛みにはさまざまな原因があるため、症状の経過や診察所見に応じて、尿検査、血液検査、超音波検査、単純X線検査(レントゲン検査)、CT検査などを組み合わせて原因を調べます。
よくある質問
どのような状態になったら泌尿器科を受診すべきですか?
泌尿器科以外の病気でも、背中や下腹部が痛くなることはありますか?
発熱を伴わない背中の痛みや下腹部痛には、どのような病気が考えられますか?
背中の痛みが腎臓や尿管によるものか、腰痛によるものか見分けられますか?
痛みの場所や症状だけで、原因を正確に見分けることは難しい場合があります。
腎臓や尿管の病気では、脇腹から腰・背中に痛みが生じることがあり、血尿や吐き気、排尿症状などを伴う場合があります。一方、筋肉や背骨などが原因の腰痛では、体を動かしたときに痛みが変化することもあります
必要に応じて尿検査や画像検査などを行い、原因を確認します。
尿がたまると下腹部が痛くなることはありますか?
背中や下腹部の痛みが一度治まった場合でも、受診した方がよいですか?
背中や下腹部の痛みでは、どのような検査を行いますか?
痛む場所や症状の経過、排尿症状などを確認したうえで、必要に応じて尿検査、血液検査、超音波検査、レントゲン検査、CT検査などを行います。
すべての検査を行うわけではなく、症状や診察所見から必要な検査を選択して原因を調べます。

