肌の痛み、腫れ、ヒリヒリ感について
肌の痛み、腫れ、ヒリヒリ感は、皮膚のバリア機能の低下や炎症、感染、神経の刺激など、さまざまな原因で起こります。
皮膚には、外部からの細菌、紫外線、乾燥、ほこり、化学物質などの刺激から体を守るバリア機能があります。しかし、乾燥や摩擦、日焼け、かぶれなどによってバリア機能が低下すると、わずかな刺激でも赤み、痛み、腫れ、ヒリヒリ感が出やすくなります。
また、かゆみを伴う場合に掻き壊してしまうと、傷口から細菌が入り、症状が悪化することがあります。肌の腫れや痛みの中には、帯状疱疹や蜂窩織炎など、早めの治療が必要な病気が隠れていることもあります。
症状が長引く場合、急に悪化している場合、強い痛みや発熱を伴う場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
肌の痛み、腫れ、
ヒリヒリする原因
皮膚の乾燥
皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなります。乾燥した肌は、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、つっぱり感を起こしやすくなります。
特に冬場や、エアコンを長時間使用する環境では乾燥しやすくなります。保湿剤をこまめに使用し、洗いすぎや熱いお湯での入浴を避けることが大切です。
紫外線・日焼け
紫外線を浴びすぎると、皮膚に炎症が起こり、赤み、痛み、ヒリヒリ感が出ることがあります。
軽い日焼けであれば数日で落ち着くこともありますが、水ぶくれができるほどの日焼けや、強い痛みを伴う場合は、やけどに近い状態です。紫外線によるダメージを繰り返すと、シミやしわだけでなく、皮膚がんのリスクにも関係するため、日頃から紫外線対策を行いましょう。
摩擦による刺激
マスク、衣類、下着、アクセサリー、髪の毛、タオルなどの摩擦によって、皮膚に赤みやヒリヒリ感が出ることがあります。
特に、汗や蒸れがある状態で摩擦が加わると、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。刺激の少ない素材を選ぶ、締め付けを避ける、汗をかいたら早めに拭き取るなどの対策が大切です。
疾患・アレルギー
帯状疱疹、接触皮膚炎、蜂窩織炎、神経障害性疼痛などの病気によって、肌の痛み、腫れ、ヒリヒリ感が出ることがあります。
また、金属、化粧品、薬剤、湿布、洗剤、植物などによるアレルギー反応や刺激で、かぶれを起こすこともあります。原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。
化粧品やスキンケア用品が合っていない
化粧品、日焼け止め、クレンジング、洗顔料、ヘアケア用品などが肌に合わず、ヒリヒリ感や赤み、かゆみが出ることがあります。
アルコール、防腐剤、香料、界面活性剤などが刺激になることもあります。特定の製品を使うたびに症状が出る場合は、使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科にご相談ください。
肌の痛み、腫れ、
ヒリヒリする
主な疾患
帯状疱疹
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる病気です。子どもの頃に水ぼうそうにかかった後、ウイルスは体内の神経に潜伏します。その後、加齢、疲労、ストレス、病気などで免疫の働きが低下した時に再活性化し、帯状疱疹を発症します。
体の左右どちらか一方に、ピリピリ、チクチク、ズキズキした痛みが出た後、赤みや水ぶくれが帯状に現れることが特徴です。発疹が出る前から痛みだけを感じることもあります。
顔や目の周りに出る場合や、痛みが強い場合は、後遺症を防ぐためにも早めの受診が大切です。
治療
帯状疱疹の治療では、抗ウイルス薬を使用します。発症早期に治療を開始することで、症状の悪化や神経痛の後遺症を抑えやすくなります。
痛みが強い場合には、鎮痛薬などを併用します。症状が落ち着いた後も痛みが続くことがあり、その場合は帯状疱疹後神経痛として治療を行うことがあります。
接触皮膚炎(かぶれ)
接触皮膚炎は、皮膚に何らかの物質が触れることで、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、腫れ、水ぶくれなどが起こる病気です。
原因となるものには、化粧品、洗剤、シャンプー、ヘアカラー、金属、ゴム、湿布、外用薬、植物、消毒薬などがあります。
接触皮膚炎には、刺激そのものによって起こる「刺激性接触皮膚炎」と、特定の物質に対するアレルギー反応によって起こる「アレルギー性接触皮膚炎」があります。
接触皮膚炎(かぶれ)の種類
刺激性接触皮膚炎
刺激性接触皮膚炎は、洗剤、アルコール、汗、摩擦、薬剤などの刺激によって皮膚に炎症が起こる状態です。誰にでも起こる可能性があります。手荒れ、マスクかぶれ、洗剤によるかぶれなども、このタイプに含まれます。
アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対して体がアレルギー反応を起こすことで発症します。原因物質に触れてから数時間後から数日後に、赤み、かゆみ、腫れ、水ぶくれなどが現れることがあります。
原因が分からないまま同じ物質に触れ続けると、症状をくり返すことがあります。
治療
接触皮膚炎の治療では、まず原因となる物質を避けることが大切です。炎症が強い場合は、ステロイド外用薬などで赤みやかゆみを抑えます。
原因が分からない場合や、同じ場所に症状をくり返す場合には、パッチテストなどで原因物質を調べることがあります。
自己判断で市販薬を使い続けると、薬剤によるかぶれが加わって悪化することもあります。症状が長引く場合や広がる場合は、皮膚科を受診しましょう。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織炎は、皮膚の深い部分から皮下組織に細菌が感染することで起こる病気です。皮膚に赤み、腫れ、熱感、痛みが出ることが多く、発熱や悪寒、だるさを伴うこともあります。
足に起こることが多いですが、顔や腕など、体のさまざまな部位に起こることがあります。小さな傷、虫刺され、湿疹の掻き壊し、水虫などから細菌が入り込むことが原因になることがあります。
赤みや腫れが急に広がっている場合、痛みが強い場合、発熱を伴う場合は、早めの受診が必要です。
治療
蜂窩織炎の治療では、原因となる細菌に対して抗菌薬を使用します。症状が軽い場合は内服薬で治療しますが、腫れや痛みが強い場合、発熱がある場合、全身状態が悪い場合には点滴治療が必要になることもあります。
再発予防のために、水虫、湿疹、むくみ、糖尿病など、背景にある原因をあわせて治療することも大切です。
神経障害性疼痛
神経障害性疼痛は、神経が傷ついたり圧迫されたりすることで、皮膚に痛みや違和感を感じる状態です。
ヒリヒリ、ピリピリ、ジンジン、ズキズキする痛み、焼けるような痛み、しびれ、触れるだけで痛いといった症状がみられることがあります。帯状疱疹後の神経痛、糖尿病、椎間板ヘルニア、外傷、手術後などが原因になることがあります。
皮膚に目立った赤みや湿疹がないのに痛みやヒリヒリ感が続く場合は、神経の痛みが関係していることもあります。
治療
神経障害性疼痛の治療では、原因となる病気がある場合はその治療を行います。痛みに対しては、神経の痛みに効果が期待できる薬や鎮痛薬などを使用することがあります。
症状によっては、ペインクリニックや整形外科などと連携して治療を行うこともあります。
更年期障害に伴う皮膚症状
更年期には、女性ホルモンの変化によって、ほてり、発汗、動悸、イライラ、不眠などの症状が出ることがあります。皮膚では、乾燥、かゆみ、ヒリヒリ感、ピリピリ感、赤みなどを感じることがあります。
ただし、皮膚のヒリヒリ感がすべて更年期によるものとは限りません。かぶれ、乾燥、神経痛、感染症などが隠れていることもあるため、症状が続く場合は診察で確認することが大切です。
治療
更年期に伴う症状が疑われる場合は、症状の程度や年齢、既往歴、生活背景などを踏まえて治療を検討します。
保湿などのスキンケアに加え、必要に応じて漢方薬や生活習慣の見直しを行うことがあります。ホルモン補充療法などが必要な場合は、婦人科での相談をおすすめすることもあります。
肌の痛み、腫れ、
ヒリヒリがある時の検査
肌の痛み、腫れ、ヒリヒリ感がある場合は、まず症状の出方、部位、持続期間、使用している化粧品や薬、生活習慣、発熱や体調不良の有無などを確認します。
必要に応じて、以下のような検査を行います。
- ダーモスコピー検査
- 血液検査
- 細菌検査
- 真菌検査
- ウイルス検査
- パッチテスト
- 皮膚生検・病理検査
パッチテストは、接触皮膚炎の原因となる物質を調べるために行う検査です。血液検査では、炎症の程度や感染の有無、全身状態などを確認することがあります。
症状によって必要な検査は異なります。診察で皮膚の状態を確認したうえで、適切な検査や治療をご提案します。
早めの受診をおすすめする症状
以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。
- 痛みや腫れが急に強くなっている
- 赤みが広がっている
- 発熱や悪寒がある
- 水ぶくれが出ている
- 体の片側だけにピリピリした痛みや発疹がある
- 顔や目の周りに症状がある
- 膿が出ている
- 市販薬を使っても改善しない
- 同じ症状をくり返している
など
よくある質問
肌にヒリヒリ感が現れているのですが、通常通りメイクをしても問題ないですか?
肌にヒリヒリ感や赤みがある時は、皮膚のバリア機能が低下している可能性があります。
その状態でメイクをすると、化粧品やクレンジングの刺激によって症状が悪化することがあります。症状が強い時は、できるだけメイクを控え、保湿を中心にやさしくケアしましょう。
どうしてもメイクが必要な場合は、低刺激性のものを選び、落とす時に強くこすらないようにしてください。ヒリヒリ感が続く場合や、特定の化粧品で症状が出る場合は、皮膚科でご相談ください。
帯状疱疹とヘルペスは同じ病気ですか?
帯状疱疹は人にうつりますか?
帯状疱疹そのものが、他の人に「帯状疱疹」としてうつることは通常ありません。
ただし、帯状疱疹の水ぶくれの中には水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれています。そのため、水ぼうそうにかかったことがない方や、水ぼうそうワクチンを接種していない方に接触すると、水ぼうそうとして発症する可能性があります。
特に、妊婦さん、乳幼児、免疫が低下している方との接触には注意が必要です。水ぶくれがある間は、患部をガーゼや衣類で覆い、タオルの共有などは避けましょう。
肌トラブルを予防するためには、どのようなケアが大切ですか?
肌トラブルを予防するためには、皮膚のバリア機能を保つことが大切です。
保湿を続ける、紫外線対策を行う、洗いすぎやこすりすぎを避ける、肌に合わない化粧品やスキンケア用品を使わないなど、日常のケアを見直しましょう。
洗顔や入浴では、熱すぎるお湯を避け、泡でやさしく洗うことが大切です。入浴後や洗顔後は乾燥しやすいため、早めに保湿剤を塗りましょう。
神経障害性疼痛では、どのような症状が出ますか?
神経障害性疼痛では、ヒリヒリ、ピリピリ、ジンジン、ズキズキする痛み、焼けるような痛み、しびれ、触れるだけで痛いといった症状がみられます。
皮膚に赤みや湿疹がないのに痛みや違和感が続く場合、神経の痛みが関係していることがあります。帯状疱疹の後、糖尿病、椎間板ヘルニア、外傷、手術後などに起こることがあります。
症状が続く場合や、しびれ・力の入りにくさを伴う場合は、原因を確認するために医療機関で相談しましょう。
日光を浴びると肌が痛くなるのですが、原因は何ですか?
日光を浴びた後に、赤み、かゆみ、発疹、ヒリヒリ感、痛みなどが出る場合、日焼けのほかに光線過敏症が関係していることがあります。
光線過敏症とは、日光に対して皮膚が過敏に反応する状態です。薬剤、化粧品、湿布、植物、自己免疫疾患などが関係することもあります。
日光を浴びるたびに症状が出る場合や、短時間の日光でも強い赤みや発疹が出る場合は、原因を確認するために皮膚科を受診しましょう。
過度なストレスによって肌がピリピリすることはありますか?
ストレスだけが直接の原因とは限りませんが、ストレスや睡眠不足、疲労によって皮膚の状態が悪化し、ヒリヒリ感やピリピリ感が出やすくなることがあります。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れたり、睡眠の質が低下したりすると、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみ、炎症が起こりやすくなります。
ただし、ピリピリ感の原因には、帯状疱疹、かぶれ、乾燥、神経痛などもあります。症状が続く場合や、痛み・水ぶくれ・腫れを伴う場合は、早めにご相談ください。

