TOPへ

精巣(睾丸)の痛み

精巣(睾丸)の痛みについて

精巣は陰嚢の中にあり、精子や男性ホルモンをつくる重要な臓器です。
精巣や陰嚢の痛み、腫れ、違和感は、精巣上体炎、精巣炎、精巣捻転、鼠径ヘルニア、精索静脈瘤、外傷など、さまざまな原因によって起こります。中には、早急な治療が必要な病気が隠れていることもあります。
特に、突然強い痛みが現れた場合や、陰嚢の腫れ、吐き気・嘔吐を伴う場合には、精巣捻転など緊急性の高い病気の可能性があります。時間を置かず、速やかに泌尿器科へ受診してください。
診療時間外の場合には、救急医療機関への受診を検討してください。
また、痛みや違和感が続く場合や、精巣にしこりや腫れを感じる場合にも、自己判断せず早めに泌尿器科へご相談ください。

精巣(睾丸)の痛みの原因疾患と治療

精巣上体炎

精巣上体炎とは、精巣の後方にある精巣上体に炎症が起こる病気です。
クラミジアや淋菌などの性感染症が原因となる場合や、大腸菌などの尿路由来の細菌が原因となる場合があります。前立腺肥大症、排尿障害、尿道カテーテルの使用などが関係することもあります。
主な症状は、片側の陰嚢の痛みや腫れで、赤みや発熱を伴うことがあります。排尿時の痛みや頻尿を伴う場合もあります。

治療

細菌感染が原因の場合には、抗菌薬による治療を行います。治療を開始すると痛みや発熱は徐々に改善しますが、陰嚢の腫れや違和感が完全に治まるまでには数週間かかることがあります。
なお、突然強い陰嚢痛が現れた場合には、緊急手術が必要となる精巣捻転症との鑑別が重要です。急激な強い痛みがある場合には、時間を置かず速やかに医療機関を受診してください。

精巣捻転症

精巣捻転症とは、精巣につながる血管や精管などを含む精索がねじれ、精巣への血流が悪くなったり、途絶えたりする病気です。
年齢を問わず起こる可能性がありますが、特に思春期に多く、新生児期に起こることもあります。
突然、片側の陰嚢に強い痛みや腫れが現れ、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

治療

精巣捻転症は緊急の治療が必要な病気です。突然強い陰嚢痛が現れた場合には、時間を置かず速やかに医療機関を受診してください。
治療では緊急手術を行い、精索のねじれを解除して精巣への血流を回復させ、精巣を陰嚢内に固定します。また、反対側にも捻転が起こる可能性があるため、多くの場合は反対側の精巣もあわせて固定します。
精巣を温存できる可能性は、発症から治療までの時間が長くなるほど低下します。そのため、発症後できる限り早く、目安として6時間以内に治療を行うことが重要です。
時間が経過し、血流が回復せず精巣の温存が難しい場合には、精巣の摘出が必要になることがあります。

精巣外傷

精巣外傷とは、陰嚢や精巣に強い衝撃が加わり、精巣やその周囲の組織が傷ついた状態です。
交通事故や転倒、スポーツ中にボールが直撃した場合、人に蹴られた場合などに起こり、強い痛み、陰嚢の腫れ、皮下出血、吐き気などを伴うことがあります。
外傷の程度によっては、精巣を覆う白膜が断裂する精巣破裂や、陰嚢内に出血して血液がたまる血腫が生じることもあります。
陰嚢超音波検査を行い、精巣の状態や血流、精巣破裂や血腫の有無などを確認します。

治療

損傷が軽い場合には、安静や冷却、鎮痛薬の使用などで経過をみることがあります。
一方、精巣破裂や大きな血腫などが疑われる場合には、精巣をできるだけ温存するため、早期に手術による確認・修復が必要になることがあります。
強い痛みや腫れが続く場合や、外傷後に陰嚢が急速に腫れてきた場合には、早めに泌尿器科を受診してください。

精索静脈瘤

精索静脈瘤とは、精巣から血液を戻す静脈が拡張し、こぶのようになった状態です。左側に生じることが多く、陰嚢の血管がミミズのように触れることがあります。
無症状の場合もありますが、長時間立っているときや運動後などに、陰嚢の重さ、鈍い痛み、引っ張られるような違和感が現れることがあります。横になって休むと症状が軽くなる場合もあります。
精索静脈瘤があっても、必ず不妊になるわけではありません。

治療

症状がなく、精液所見などに問題がなければ経過観察となることがあります。
一方、痛みが続く場合や、精液検査で異常があり男性不妊への影響が疑われる場合などには、拡張した静脈を処理する手術を検討します。
専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関へご紹介します。

精巣がん(精巣腫瘍)

精巣がんは、精巣に発生する悪性腫瘍です。初期には痛みを伴わないことが多く、片側の精巣にできたしこりや腫れ、大きさや硬さの変化などをきっかけに気づくことがあります。
一方で、精巣や陰嚢の違和感、重い感じ、鈍い痛みなどを伴う場合もあります。
以前にはなかったしこりを触れる、片側の精巣が以前より大きくなった、硬さや形に変化を感じるといった場合には、痛みがなくても早めに泌尿器科へご相談ください。

精巣(睾丸)の痛みの検査

精巣や陰嚢に痛みがある場合には、まず問診で症状について詳しくお伺いした後、視診や触診などを行います。
必要に応じて、尿検査、血液検査、陰嚢超音波検査などを行い、精巣や精巣上体の状態、血流、腫れやしこりの有無などを確認します。
特に陰嚢超音波検査は、精巣捻転症、精巣上体炎、精巣腫瘍などの鑑別に役立つ重要な検査です。
精巣がん(精巣腫瘍)が疑われる場合には、超音波検査や腫瘍マーカーを含む血液検査などで詳しく調べます。そして、CT検査でリンパ節やほかの臓器への広がりがないかを確認します。
MRI検査などが必要な場合には、適切な専門医療機関をご紹介します。
なお、精巣捻転症が強く疑われる場合には、検査に時間をかけすぎず、緊急の治療を優先することがあります。

CT検査

よくある質問

精巣がんを発症した場合、どのような初期症状が現れますか?

精巣がんの代表的な初期症状は、片側の精巣に生じる痛みのないしこりや腫れです。
以前と比べて片側の精巣が大きくなった、硬くなった、陰嚢が重く感じるといった変化をきっかけに気づくこともあります。
痛みを伴わないことが多い一方で、精巣や陰嚢の違和感や鈍い痛み、下腹部や鼠径部に違和感を感じる場合もあります。
精巣にしこりを触れる、大きさや硬さに変化を感じるといった場合には、痛みがなくても早めに泌尿器科へご相談ください。

精巣腫瘍(精巣がん)になったら、子どもを授かれなくなりますか?

精巣がんの治療を受けても、将来お子さんを授かれる可能性はあります。
片側の精巣を摘出した場合でも、反対側の精巣の機能が保たれていれば、精子や男性ホルモンをつくる機能が保たれることがあります。
ただし、精巣がんでは、治療を始める前から精子の数や運動率などが低下している場合があります。また、抗がん剤治療や放射線治療などによって、精子をつくる機能が一時的または長期的に低下することがあります。手術の内容によっては、射精機能に影響する場合もあります。
そのため、将来お子さんを希望する可能性がある方には、できるだけ治療を開始する前に妊孕性について確認し、必要に応じて精液検査や精子凍結保存を検討します。

精巣上体炎の原因が性感染症の場合、パートナーに感染することはありますか?

はい。精巣上体炎そのものがパートナーにうつるわけではありませんが、原因がクラミジアや淋菌などの性感染症である場合には、原因となる病原体が性的接触によってパートナーに感染する可能性があります。
一方で、精巣上体炎には大腸菌など尿路由来の細菌が原因となるものもあり、すべてが性感染症によって起こるわけではありません。
性感染症が原因として疑われる、または確認された場合には、パートナーに症状がなくても医療機関を受診し、必要な検査や治療を受けることが大切です。
また、再感染やパートナーへの感染を防ぐため、本人とパートナー双方が必要な治療を終えるまでは性行為を控えましょう。

この記事の執筆者

院長 中村 勇貴(なかむら ゆうき)

院長 中村 勇貴
(なかむら ゆうき)

経歴

  • 2014年3月
    北里大学医学部医学科卒業
  • 2014年4月~2016年3月
    埼玉県さいたま市 自治医科大学附属さいたま医療センター 初期研修医として勤務
  • 2016年4月
    自治医科大学附属さいたま医療センター 泌尿器科入局
  • 2016年4月~2023年9月
    自治医科大学附属さいたま医療センター、蓮田病院、さいたま市民医療センター、西大宮病院、西部総合病院、埼玉県央病院、東鷲宮病院、埼玉県内のクリニックに勤務
  • 2023年10月~現在
    都内クリニック院長や千葉県内のクリニック院長歴任

資格

  • 日本泌尿器科学会泌尿器科専⾨医
  • 日本泌尿器科学会泌尿器科指導医
  • ⽇本がん治療認定機構 がん治療認定医
  • 日本抗加齢医学会 抗加齢医学専門医
  • ⽇本ロボット外科学会 Robo-Doc Pilot 国内A級認定医
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医
  • 日本内視鏡外科学会 腹腔鏡技術認定医(泌尿器科領域)
  • Intuitive Surgical da vinci certificate
  • ⽇本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
  • ⽇本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
  • 難病指定医
  • グラクソ・スミスクライン ボトックス療法講習修了
  • Boston Scientific Rezumeシステムハンズオンセミナー修了(WAVE治療)
  • 前立腺吊り上げ術(UROLIFT)執刀ライセンス
  • 緩和ケア研修会修了
  • エピペン処方医
  • ⽇本医師会認定産業医

副院長 中村 京香(なかむら きょうか)

副院長 中村 京香
(なかむら きょうか)

経歴

  • 2017年 東邦大学医学部医学科卒
  • 2019年 東邦大学医療センター 大森病院皮膚科 入局
  • 2020年 日産厚生会 玉川病院皮膚科
  • 2023年 東邦大学医療センター 大森病院皮膚科 帰局
  • 2025年 都内皮膚科・美容皮膚科クリニック勤務

資格

  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • ボトックスビスタ®認定医
  • ジュビダームビスタ®認定医

医師紹介はこちら