血精液症について
精液に血液が混じる状態を「血精液症」といいます。射精した際に精液が赤色や茶褐色に見えるため驚かれる方も多いですが、血精液症の多くは深刻な病気によるものではなく、特別な治療を行わなくても自然に改善することがあります。
血精液症は、検査を行っても明らかな原因が分からないことも少なくありません。原因が分かる場合には、前立腺や精嚢などの炎症や感染、結石などが関係していることがあります。頻度は高くありませんが、まれに前立腺や尿路・生殖器の腫瘍などが関係している場合もあります。
血精液症の症状
血精液症では、精液がピンク色や赤色、茶褐色に変化することがあります。茶褐色の場合には、出血してからある程度時間が経過した血液が混じっていることがあります。また、血液のかたまりが混じることもあります。
多くの場合は、精液に血液が混じる以外に自覚症状はありません。一方、原因によっては、射精時の痛みや排尿時痛、会陰部の痛みや違和感などを伴うことがあります。
精液に血が混じる原因
血精液症の原因はさまざまですが、検査を行っても明らかな原因が特定できないことも少なくありません。主な原因として、以下のようなものがあります。
炎症・感染症
前立腺炎や精嚢炎、尿道炎など、前立腺や精嚢、尿道に炎症や感染が起こることで、精液に血液が混じることがあります。
外傷・強い刺激
陰部や骨盤周囲への外傷のほか、性交や自慰などによる強い刺激をきっかけに、一時的に血精液症がみられることがあります。
医療行為後
前立腺生検など、前立腺や尿路に対する検査や処置の後に、血精液症がみられることがあります。
特に前立腺生検後には比較的よくみられますが、多くの場合は時間の経過とともに自然に改善します。
結石・嚢胞など
前立腺や精嚢、射精管などに結石や嚢胞がある場合や、精液の通り道に異常がある場合に、血精液症の原因となることがあります。
血液が固まりにくくなる状態など
血液が固まりにくくなる病気や、血液を固まりにくくする薬を服用している場合などに、出血しやすくなり血精液症がみられることがあります。
腫瘍
頻度は高くありませんが、前立腺や精嚢などの泌尿生殖器の腫瘍が血精液症の原因となる場合があります。
血精液症を繰り返す場合や長期間続く場合、血尿などほかの症状を伴う場合には、必要に応じて詳しい検査を行います。
原因不明
血精液症では、検査を行っても明らかな原因が特定できないことがあります。このようなものを特発性血精液症と呼びます。
特発性血精液症の多くは、特別な治療を行わなくても自然に改善します。
精液に血が混じるときの検査
血精液症では、年齢や症状、症状が続いている期間、繰り返しているかどうかなどを確認し、必要に応じて尿検査、血液検査、超音波検査(エコー検査)などを行います。
血精液症が長期間続く場合や繰り返す場合、ほかの病気が疑われる場合には、前立腺や精嚢などを詳しく調べるため、MRI検査などの画像検査を検討することがあります。
また、血尿を伴う場合など、尿路の病気が疑われる場合には、必要に応じてCT検査やMRI検査などを行います。
MRI検査など当院で実施できない検査が必要な場合には、適切な専門医療機関をご紹介します。
精液に血が混じるときの治療
血精液症の治療方法は、原因や症状によって異なります。
前立腺や精嚢などの炎症や感染が原因と考えられる場合には、症状や検査結果に応じて治療を行います。
一方、検査を行っても明らかな原因が見つからず、ほかに問題となる症状や所見がない場合には、特別な治療を行わず経過をみることがあります。血精液症は時間の経過とともに自然に改善することも多く、精液の色が元に戻るまでにしばらく時間がかかる場合があります。
腫瘍など原因となる病気が見つかった場合には、それぞれの病気に応じた治療を行います。
よくある質問
血精液症では、精液が赤い場合と茶色い場合に違いはありますか?
血精液症では、精液が赤色やピンク色、茶褐色などに変化することがあります。
赤色の場合には比較的新しい血液が混じっていることがあり、茶褐色の場合には、出血してからある程度時間が経過した血液が混じっていることがあります。
ただし、精液の色だけで出血の原因や病気の重症度を判断することはできません。
血精液症を繰り返す場合や長期間続く場合、血尿や痛みなどほかの症状を伴う場合には、泌尿器科へご相談ください。
精液に血が混じると、がんの可能性がありますか?
血精液症の多くは、がんなどの深刻な病気が原因ではありません。検査を行っても明らかな原因が分からず、自然に改善することも多くあります。 一方で、頻度は高くありませんが、前立腺や尿路・生殖器の腫瘍などが原因となる場合もあります。血精液症を繰り返す場合や長期間続く場合、血尿などほかの症状を伴う場合には、泌尿器科で原因を確認することが大切です。
血精液症以外の症状がない場合でも、受診した方がよいですか?
血精液症は、精液に血液が混じる以外に症状がなく、自然に改善することもあります。
一度だけみられ、その後改善している場合には、大きな問題がないこともあります。一方で、血精液症を繰り返す場合や長期間続く場合には、ほかに症状がなくても原因となる病気がないか確認することが大切です。
また、年齢や症状の経過によっては、詳しい検査が必要になることもあります。
血精液症は、どのくらいで治りますか?
原因や症状によって異なりますが、血精液症の多くは特別な治療を行わなくても自然に改善します。
出血が止まった後もしばらく古い血液が精液に混じることがあり、精液の色が完全に元に戻るまで数週間程度かかる場合もあります。
症状が長期間続く場合や、何度も繰り返す場合には泌尿器科へご相談ください。
血精液症を何度も繰り返す場合は、検査を受けた方がよいですか?
はい。血精液症は一時的にみられて自然に改善することもありますが、繰り返す場合や長期間続く場合には、原因となる病気がないか確認することをおすすめします。
年齢や症状、経過などに応じて、尿検査や血液検査、超音波検査などを行い、必要に応じて画像検査を追加することがあります。
血精液症があるとき、日常生活で注意することはありますか?
血精液症があるからといって、日常生活を大きく制限する必要はありません。
性行為や自慰行為についても一律に控える必要はありませんが、射精時に痛みや違和感が生じる場合には、症状が落ち着くまで無理をせず一時的に控えましょう。
前立腺生検の後に精液へ血が混じることはありますか?
はい。前立腺生検の後には、血精液症がみられることがあります。
前立腺に針を刺して組織を採取するため、検査後に射精すると精液に血液が混じることがあります。多くの場合は時間の経過とともに自然に改善しますが、精液の色が元に戻るまで数週間程度かかることもあります。

