性欲低下について
性欲低下とは、性的な関心や欲求が以前より低下した状態です。性欲の強さには個人差があり、性欲が低いこと自体が必ずしも病気を意味するわけではありません。
男性の性欲には、男性ホルモンであるテストステロンが関係しています。
テストステロンは年齢とともに低下することがありますが、その変化には大きな個人差があり、年齢を重ねても大きく低下しない方もいます。
また、性欲はホルモンの値だけで決まるものではありません。
疲労、睡眠不足、ストレス、抑うつや不安、パートナーとの関係、糖尿病や甲状腺疾患などの病気、服用している薬など、さまざまな要因が関係します。
そのため、若い方でも性欲が低下することがあり、反対に、年齢を重ねても性欲に大きな変化を感じない方もいます。
性欲の低下が続く場合や、疲労感、意欲の低下、EDなどを伴う場合には、テストステロンの低下を伴うLOH症候群(男性更年期障害)などが関係している可能性があります。LOH症候群では、性欲低下のほか、ED、倦怠感、意欲低下、集中力低下など、さまざまな症状がみられることがあります。
気になる症状がある場合には、必要に応じて血液検査などを行い、男性ホルモンの状態や、ほかに原因となる病気が隠れていないかを確認します。お一人で悩まず、当院の泌尿器科へご相談ください。
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性欲低下の原因
男性の性欲は、男性ホルモンであるテストステロンだけでなく、心身の状態や生活習慣、病気、服用している薬、パートナーとの関係など、さまざまな要因の影響を受けます。
そのため、性欲低下の原因は一つとは限らず、複数の要因が重なっていることもあります。
男性ホルモンの低下
男性の性欲には、男性ホルモンであるテストステロンが深く関係しています。
テストステロンが低下すると、性欲低下のほか、ED、疲労感、意欲低下、集中力低下などがみられることがあり、LOH症候群(男性更年期障害)が関係している場合もあります。
また、テストステロン以外にも、プロラクチンや甲状腺ホルモンなどの異常、下垂体や精巣の病気などが性欲に影響することがあります。
ストレス・不安・抑うつなどの心理的要因
仕事や家庭でのストレス、不安、抑うつ状態、慢性的な疲労などによって性欲が低下することがあります。
また、過去に性行為でうまく勃起できなかった経験などから、性行為への不安やプレッシャーが強くなり、性欲そのものが低下することもあります。
睡眠不足・肥満などの身体的要因
睡眠不足や疲労が続くことで、一時的に性欲が低下することがあります。
また、肥満や糖尿病、睡眠障害などは、男性ホルモンや全身の健康状態に影響し、性欲低下に関係することがあります。
病気による影響
糖尿病、慢性腎臓病、肝臓病、甲状腺疾患などの病気が性欲低下に関係する場合があります。
性欲の低下が続いている場合には、男性ホルモンだけでなく、必要に応じて全身の病気が隠れていないか確認することも大切です。
薬の影響
服用している薬の影響によって性欲が低下することがあります。
抗うつ薬や抗精神病薬、ホルモンに作用する薬など、性機能に影響する可能性がある薬は複数あります。
薬が原因として疑われる場合でも、自己判断で服用を中止せず、処方した医師へご相談ください。
パートナーとの関係など
性欲はホルモンや身体の状態だけでなく、パートナーとの関係、性生活に対する不安やプレッシャーなどからも影響を受けます。
そのため、検査で大きな異常がみられなくても、心理的・社会的な要因が性欲低下に関係している場合があります。
性欲低下が続く場合にはご相談ください
性欲の強さにはもともと個人差があるため、性欲が低いことだけで病気と判断することはできません。
一方で、以前と比べて明らかに性欲が低下した状態が続く場合や、ED、疲労感、意欲低下、気分の落ち込みなどを伴う場合には、LOH症候群をはじめとするホルモンの異常や、ほかの病気が関係している可能性があります。
当院では、症状や服用している薬、生活習慣などを確認し、検査を行い、原因を総合的に評価します。
性欲低下の治療
性欲低下の治療は、原因によって異なります。
男性ホルモンの低下だけでなく、ストレスや睡眠不足、糖尿病・甲状腺機能の異常などの病気、服用している薬、心理的な要因などが関係していることもあるため、まずは症状や生活習慣、服薬状況などを確認し、必要に応じて血液検査を行います。
テストステロン補充療法
性欲低下やED、疲労感、意欲低下などの症状があり、血液検査でテストステロンの低下が確認された場合には、患者さんの状態に応じてテストステロン補充療法(TRT)を検討することがあります。
テストステロンを補充することで、性欲低下やEDなどの性機能症状のほか、倦怠感や意欲低下などの改善が期待できる場合があります。
ただし、テストステロン補充療法は性欲が低下しているすべての方に行う治療ではありません。治療開始前には症状やテストステロン値に加えて、前立腺の状態や血液検査などを確認し、治療の適応を慎重に判断します。治療中も定期的に採血を行い、効果や副作用を確認します。
また、テストステロン補充療法は精子をつくる働きを低下させる可能性があるため、現在妊娠を希望している方では原則として別の治療方法を検討します。
原因に応じた治療
テストステロン値に明らかな低下がない場合には、睡眠不足やストレスなどの生活習慣の改善、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患の治療、服用している薬の見直しなど、原因に応じた対応を行います。
心理的な要因やパートナーとの関係などが関係している場合には、その背景も含めて治療方法を検討します。
性欲低下を改善するためにできること
バランスのよい食事
特定の食品や栄養素を大量に摂取するのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事を心がけることが大切です。
亜鉛は身体に必要な栄養素で、牡蠣、肉類、魚介類、豆類などに含まれています。亜鉛が不足している場合には適切に補うことが大切ですが、必要量を超えて摂取すれば性欲が高まるわけではありません。
また、サプリメントなどによる亜鉛の過剰摂取を続けると、銅の吸収を妨げるなど健康に影響することがあるため、自己判断で大量に摂取しないよう注意しましょう。
十分な睡眠をとる
睡眠不足や睡眠の質の低下によって、疲労感や気分の落ち込みが生じ、性欲に影響することがあります。
必要な睡眠時間には個人差がありますが、規則正しい生活を心がけ、自分に必要な睡眠時間を確保することが大切です。就寝前の過度な飲酒や長時間のスマートフォンの使用を控えるなど、睡眠環境を整えることも心がけましょう。
大きないびきがある、睡眠中の無呼吸を指摘されたことがある、日中に強い眠気を感じる場合には、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が性機能の低下に関係している可能性があります。睡眠障害と男性の性機能低下との関連も報告されています。
当院では、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行い、検査結果に応じて治療方針を検討します。また、より専門的な診療が必要な場合には、適切な医療機関と連携します。
適度な運動と体重管理
ウォーキングや筋力トレーニングなどの適度な運動は、体力の維持や体重管理、ストレスの軽減などに役立ちます。
特に肥満がある場合には、食生活の見直しと運動を組み合わせて適正体重を目指すことが大切です。肥満は男性ホルモンの低下と関連しており、減量によってテストステロンの分泌が改善することがあります。
無理な食事制限や過度な運動は避け、継続できる方法で取り組みましょう。
ストレスや心理的要因への対応
ストレス、不安、気分の落ち込み、性行為への緊張、EDへの不安、パートナーとの関係などが性欲に影響することがあります。
十分な休養をとり、趣味や運動など自分に合った方法で心身の負担を軽減することが大切です。パートナーがいる場合には、お互いの体調や気持ちについて話し合うことも一つの方法です。
気分の落ち込みや不安が続く場合には、一人で抱え込まず、必要に応じて心療内科や精神科などの専門医療機関へ相談しましょう。
よくある質問
射精をしばらくしなかった場合、性欲低下に影響しますか?
男性の場合、何歳くらいから性欲が低下しますか?
性欲が低下し始める年齢には大きな個人差があり、「何歳から低下する」と一律に決めることはできません。
男性ホルモンであるテストステロンは、一般的に20代をピークとして、その後は加齢とともに徐々に低下する傾向があります。ただし、テストステロンの低下には個人差が大きく、年齢を重ねても大きく低下しない方もいます。
また、性欲はテストステロンの値だけで決まるものではありません。睡眠不足や疲労、ストレス、気分の落ち込み、糖尿病や甲状腺機能の異常などの病気、服用している薬など、さまざまな要因から影響を受けます。
性欲の低下が続く場合や、疲労感、意欲の低下、EDなどを伴う場合には、LOH症候群(男性更年期障害)が関係している可能性があります。気になる症状がある場合には、お気軽にご相談ください。
生活習慣の改善は、性欲低下の改善に役立ちますか?
はい。睡眠不足や強い疲労、ストレス、肥満、過度な飲酒などが性欲低下に関係している場合には、生活習慣を見直すことで改善につながることがあります。
食事では、特定の食品や栄養素に偏るのではなく、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを含むさまざまな食品を取り入れ、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事を心がけることが大切です。
亜鉛は身体に必要なミネラルの一つですが、亜鉛などの栄養素が不足している場合には、適切に補うことが大切です。一方で、必要量を超えて摂取すれば性欲が高まるわけではありません。亜鉛を長期間過剰に摂取すると、銅の吸収を妨げるなど健康に影響することもあるため、サプリメントなどを自己判断で大量に摂取しないよう注意しましょう。
また、十分な睡眠、適度な運動、適正体重の維持、節酒、ストレスへの対処なども、心身の健康や性機能を保つうえで大切です。特に肥満を伴う男性ホルモン低下では、減量や運動によってテストステロン値が改善することがあります。
生活習慣を見直しても性欲低下が続く場合や、ED、強い疲労感、意欲の低下などを伴う場合には、男性ホルモンの低下やほかの病気が関係している可能性もあるため、泌尿器科へご相談ください。
性欲向上におすすめのサプリメントはありますか?
現時点では、男性の性欲低下を確実に改善する効果が確立された特定のサプリメントはありません。
性欲向上を目的としてさまざまな成分を含むサプリメントが販売されていますが、効果には個人差があり、性欲低下の原因そのものを治療できるとは限りません。
一方、偏った食生活などによって特定の栄養素が不足している場合には、不足している栄養素を適切に補うことで、全身状態の改善につながることがあります。
ただし、サプリメントを必要以上に摂取すると副作用が生じたり、服用している薬と相互作用を起こしたりする可能性があります。自己判断で大量に摂取することは避けましょう。
性欲の低下が続く場合には、サプリメントだけで対処せず、泌尿器科で原因を確認することが大切です。

