しわ・たるみについて
しわやたるみは、加齢や紫外線による皮膚の変化だけでなく、表情筋の動き、皮下脂肪の変化、皮膚や脂肪を支える組織、骨格の変化など、さまざまな要因が重なって生じます。
そのため、一言で「しわ」「たるみ」といっても原因は患者さんによって異なり、適した治療方法も異なります。
例えば、表情をつくったときに目立つしわと、乾燥による細かな小じわ、加齢によって深く刻まれたしわでは、原因も治療方法も異なります。また、ほうれい線やフェイスラインのもたつきなどには、皮膚だけでなく皮下脂肪や骨格などの変化も関係しています。
当院では、皮膚の状態や表情筋の動き、しわ・たるみの種類などを診察したうえで、それぞれの治療で期待できる効果と限界をご説明し、患者さんのお悩みやご希望に合わせた治療をご提案します。
しわについて
しわには、乾燥による浅い小じわ、表情筋の動きによる表情じわ、加齢や紫外線の影響による深いしわなどがあります。
乾燥による小じわ
皮膚の水分量が低下することで目立つ、細かな浅いしわです。
特に目元や口元など、皮膚が薄く乾燥しやすい部分にみられます。
乾燥が主な原因の場合には、適切な保湿によって目立ちにくくなることがあります。
一方、保湿をしても改善しない小じわでは、紫外線などによる皮膚の老化が関係していることもあります。
表情じわ
笑う、眉をひそめる、額を上げる、目を細めるなど、表情筋の動きによって生じるしわです。
特に額、眉間、目尻などに多くみられます。
初めは表情をつくったときだけ現れますが、同じ表情を長年繰り返すことで皮膚に折れ目がつき、徐々に表情をつくっていない状態でもしわが残るようになることがあります。
深く刻まれたしわ
加齢や長年の紫外線の影響などによって、真皮のコラーゲンやエラスチンなどが変化し、皮膚のハリや弾力が低下することで生じます。
乾燥による浅い小じわと比較すると、スキンケアだけで大きく改善することは難しくなります。
また、表情じわを長期間繰り返すことによって、徐々に深いしわとして残ることもあります。
ほうれい線・マリオネットライン
ほうれい線や、口角から顎方向に伸びるマリオネットラインは、単純な皮膚表面の「しわ」だけではありません。
皮膚のハリや弾力の低下に加えて、頬の脂肪の位置や量、皮膚や脂肪を支える組織、骨格などの変化が複合的に関係して目立つようになります。
そのため、皮膚表面だけを治療しても十分に改善しない場合があります。
たるみについて
顔のたるみは、単純に皮膚だけが伸びることで生じるものではありません。
皮膚のハリや弾力の低下に加えて、皮下脂肪の移動や減少、支持組織、筋肉、骨格など、顔を構成する複数の組織の変化が関係しています。
そのため、「頬が下がった」「フェイスラインが気になる」「ほうれい線が深くなった」など、同じようなお悩みでも原因は患者さんによって異なります。
しわ・たるみの原因
紫外線
紫外線は、しわやたるみを引き起こす大きな原因の一つです。
特にUVAは皮膚の真皮まで到達し、長期間にわたって浴び続けることでコラーゲンやエラスチンなどに影響を与え、皮膚のハリや弾力を低下させます。
このような紫外線による慢性的な皮膚の変化を「光老化」といいます。
加齢
年齢とともに皮膚の水分保持力や弾力が低下し、真皮を構成するコラーゲンやエラスチンなどにも変化が生じます。
また、加齢による変化は皮膚だけでなく、皮下脂肪や皮膚を支える組織、骨格などにも生じます。
そのため、細かな小じわだけでなく、深いしわやほうれい線、顔のたるみなどが徐々に目立つようになります。
表情筋の動き
額を上げる、眉を寄せる、目を細めるなどの表情を繰り返すことで、同じ場所の皮膚に折れ目が生じます。
加齢による皮膚の弾力低下などが加わることで、徐々に表情をつくっていない状態でもしわが残るようになることがあります。
乾燥
皮膚が乾燥すると角層の水分量が低下し、細かな小じわが目立ちやすくなります。
特に目元や口元など、皮膚の薄い部分では乾燥による影響を受けやすくなります。
皮下脂肪・支持組織・骨格の変化
加齢に伴い、顔の脂肪の量や位置にも変化が生じます。
脂肪が減少してくぼみが目立つ部分がある一方で、位置が変化することで、ほうれい線やフェイスラインのもたつきが目立つこともあります。
また、皮膚や脂肪を支える組織や骨格にも年齢とともに変化が生じます。
当院のしわ治療
しわは種類や原因によって適した治療方法が異なります。
当院では、特に表情じわ、小じわ、肌のハリ低下などに対して、患者さんの状態に合わせた治療をご提案します。
【自費診療】ボツリヌス療法
ボツリヌス療法は、ボツリヌス毒素製剤を筋肉に注射し、筋肉の過度な動きを一時的に弱める治療です。
特に、額・眉間・目尻など、表情筋の動きによって生じる表情じわに適しています。
患者さんごとに表情筋の動きや左右差を確認し、適切な位置や量を調整して注入します。
すでに深く刻まれているしわについては、ボツリヌス療法だけでは十分に改善しない場合があります。
効果は永久的ではなく、時間の経過とともに徐々に元の状態へ戻ります。
主な副作用・リスク
- 注射時の痛み
- 赤み
- 腫れ
- 内出血
- 頭痛
- 表情の違和感
- 左右差
- 眉毛やまぶたの位置の変化
- 眼瞼下垂
など
まれにアレルギー反応などが生じることがあります。
【自費診療】肌育注射
肌育注射は、肌の状態やお悩みに応じた製剤を皮膚に細かく注入し、肌のハリや弾力、乾燥、小じわなどの改善を目指す治療です。
深いしわを直接埋めたり、下垂した組織を大きく持ち上げたりする治療ではなく、肌そのものの質感やハリ感を整えることを目的としています。
使用する製剤によって特徴や期待できる効果が異なるため、患者さんの肌状態やご希望に合わせて治療をご提案します。
主な副作用・リスク
- 注射時の痛み
- 赤み
- 腫れ
- 内出血
- むくみ
- 注入部位の一時的な膨らみ
- かゆみ
など
【自費診療】IPL(光治療)
IPLは、幅広い波長を含む光を皮膚に照射する治療です。
主にシミ、そばかす、赤みなどの色調改善に用いられますが、光老化がみられる肌では、肌の質感やハリ、細かな小じわの改善が期待できる場合があります。
一方、深く刻まれたしわや下垂した皮膚・脂肪を大きく持ち上げる治療ではありません。
主な副作用・リスク
- 赤み
- ほてり
- ヒリヒリ感
- 腫れ
- 痂皮
- 色素沈着
- 水疱
など
【自費診療】ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、酸などの薬剤を皮膚に塗布し、角層などに作用させる治療です。
ニキビや皮膚のざらつき、くすみなどに用いられるほか、肌質や浅い小じわの改善が期待できる場合があります。
一方、深く刻まれたしわや顔のたるみを大きく改善する治療ではありません。
主な副作用・リスク
- 赤み
- ヒリヒリ感
- 乾燥
- 皮むけ
など
たるみが気になる方へ
たるみには、皮膚のハリ低下だけでなく、皮下脂肪、支持組織、筋肉、骨格などの変化が関係しています。
当院では、肌のハリ低下や小じわなど、皮膚そのものの変化が関係している場合には、肌育注射やIPLなどをご提案することがあります。
これらは主に肌のハリや質感を整えることを目的とした治療であり、下垂した皮膚や脂肪を大きく持ち上げる治療ではありません。
そのため、たるみの原因や程度によっては、当院で行っている治療では十分な改善が難しい場合があります。
診察時には、当院で期待できる効果と治療の限界についてもご説明します。
しわ・たるみのセルフケア
紫外線対策
紫外線による光老化を防ぐため、日常的な紫外線対策が大切です。
日焼け止めのほか、帽子や日傘なども上手に活用しましょう。
保湿
適切な保湿によって角層の水分量を保つことで、乾燥による小じわを目立ちにくくすることができます。
摩擦を避ける
洗顔やスキンケアの際には、皮膚を強くこすらないようにしましょう。
過度なマッサージや摩擦は皮膚への刺激となるため、やさしいスキンケアを心がけることが大切です。
よくある質問
しわとたるみは同じものですか?
同じものではありませんが、両方が同時にみられることはあります。
しわは乾燥や紫外線、表情筋の動きなどが関係します。一方、たるみには皮膚のハリ低下だけでなく、皮下脂肪や支持組織、骨格などの変化も関係しています。
しわやたるみは何歳頃から現れますか?
現れ始める時期には個人差があります。
年齢だけでなく、紫外線の影響、皮膚の状態、骨格、皮下脂肪、表情筋の使い方などによって異なります。
表情じわにはどの治療が適していますか?
額、眉間、目尻など、表情をつくったときに目立つしわには、ボツリヌス療法が適している場合があります。
すでに深く刻まれているしわでは十分に改善しない場合もあるため、しわの状態を確認したうえで治療をご提案します。
肌育注射とボツリヌス療法は何が違いますか?
治療する目的が異なります。
ボツリヌス療法は、表情筋の動きを一時的に弱めることで表情じわを目立ちにくくする治療です。
一方、肌育注射は肌のハリや弾力、乾燥、小じわなど、肌そのものの質感を整えることを目的としています。
ほうれい線にはどの治療が適していますか?
ほうれい線は、皮膚だけでなく頬の脂肪や支持組織、骨格など複数の要因によって目立つようになります。
原因や程度に応じて、肌育注射などを治療内容の選択肢としてご提案することがあります。
スキンケアだけでしわ・たるみは改善できますか?
乾燥による浅い小じわは、適切な保湿によって目立ちにくくなることがあります。
一方、深いしわや構造的なたるみをスキンケアだけで大きく改善することは難しい場合があります。
治療に痛みやダウンタイムはありますか?
治療方法によって異なります。
注射治療では痛みや内出血、IPLやピーリングでは一時的な赤みやヒリヒリ感などが生じることがあります。
大切な予定がある場合には、事前にご相談ください。
1回の治療で改善しますか?
必要な治療回数は、治療方法や症状の程度によって異なります。
1回でも変化が期待できる治療もあれば、複数回行うことで徐々に改善を目指す治療もあります。
患者さんの状態やご希望に合わせて治療計画をご提案します。

