陰部のかゆみについて
女性の陰部は皮膚が薄く外部からの刺激を受けやすいため、かゆみを感じやすい部位です。下着や衣類、生理用品との摩擦でかぶれが起きたり、閉経後は乾燥によって違和感やかゆみが増すこともあります。
「恥ずかしくて相談しにくい」と感じる方も多いかもしれませんが、陰部のかゆみは感染症が原因の場合もあるため、気になる症状があるときは早めに医師に相談することが大切です。当院では女性医師が在籍しており、女性医師による診療が可能な日もございます。ご希望の方は、事前にお問い合わせの上ご来院ください。
陰部のかゆみの原因
感染症
陰部のかゆみや炎症と聞くと性感染症を思い浮かべる方も多いですが、公共浴場での感染や、もともと体に存在する常在菌が原因で起こる場合もあります。
陰部の粘膜は手足などの皮膚に比べてバリア機能が弱く、さらに通気性が悪いため、皮脂や汚れがたまりやすく、細菌が繁殖しやすい環境のため、感染症になりやすい部位です。陰部にかゆみなどを起こす感染症には、以下のようなものがあります。
- カンジダ外陰膣炎
- 細菌性膣炎
- 膣トリコモナス症
- 淋病
- 尖圭コンジローマ
- 性器ヘルペス
など
毛包炎(毛嚢炎)
毛の根元に炎症が起こるもので、細菌や真菌(カビ)が原因になることがあります。顔や首の後ろ、太ももやおしりによく現れ、軽いものは自然に治ることもありますが、悪化すると膿を出す処置が必要になることもあります。
更年期におけるホルモンの変化
40代以降は女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、肌や陰部が乾燥しやすくなります。おりものの量も減るため、細菌を外に排出する自浄作用が弱くなり、かゆみや違和感が起こりやすくなります。
かゆみが繰り返される原因
洗いすぎ
「かゆみ=不潔」と思って強い洗浄力のソープで洗うと、常在菌のバランスが崩れ、皮膚が薄く乾燥しやすくなり、かゆみが悪化します。かゆみを感じて洗いすぎると、よりかゆみが悪化するという悪循環が起きてしまうことがあるので注意が必要です。
かきすぎ
かゆみは我慢することが難しいとされており、夜間など無意識にかくことで、かゆみがさらに悪化します。自己判断でステロイド薬をやめると症状が繰り返すため、医師の指示通りに使用してください。
間違ったケア
原因に合わない市販薬を使ったり、処方薬を自己判断でやめると改善が遅れます。市販薬は原因が明確な場合に限定しましょう。医師に処方された薬は用法、容量、期間を守って使用してください。
ターンオーバーの乱れ
乾燥や摩擦で皮膚の代謝が乱れると、炎症が改善せずかゆみを繰り返します。肌が厚くなったり黒ずむ原因にもなります。
陰部のかゆみがある際の検査
陰部にかゆみを感じて来院された場合、まずは原因をしっかり確認することが大切です。当院では、以下の検査を行っています。
問診・視診検査
症状の経過や生活習慣、過去の病気の有無を丁寧に確認します。陰部の赤みや腫れ、分泌物の状態などを観察し、原因の目安をつけたり、必要に応じて追加の検査を判断します。
尿検査
尿を採取して、尿路感染症やその他の泌尿器のトラブルがないかを確認します。また、一部の性感染症の診断にも役立ちます。必要に応じて、さらに詳しい検査を追加することもあります。
性病検査
必要に応じて、血液検査や尿検査などを行い、梅毒・クラミジア・淋病などの性感染症の有無を確認します。
内診や婦人科的な精査が必要と判断される場合は、適切な専門医療機関をご紹介いたします。
陰部のかゆみの治療
女性の場合は、症状に応じて婦人科・皮膚科・泌尿器科が関わります。
当院では、外陰部の皮膚症状は皮膚科、排尿症状や性感染症が疑われる場合は泌尿器科が中心となって診療し、必要に応じて連携して治療を行います。
細菌や真菌による感染症
抗生物質や抗真菌薬で治療します。性感染症の場合は、パートナーも含めた治療が必要です。
アレルギー性の皮膚炎
ステロイド軟膏や抗アレルギー薬で症状を和らげ、アレルゲンの特定と除去を行います。
生活習慣や衛生管理
清潔を保ち、通気性の良い下着を着用し、過度の摩擦や刺激を避けることも重要です。これにより症状の改善や再発予防が期待できます。
陰部のかゆみに関するよくある質問
生理のときに陰部がかゆくなるのはなぜですか?
多くは生理用品(ナプキンや吸水ショーツ)による蒸れや雑菌の繁殖が原因です。長時間使用せず、こまめに交換してください。
我慢できないほど陰部がかゆい場合はどうすればいいですか?
患部を冷やすと楽になります。濡れタオルや保冷剤をタオルで包んで当てる、冷たいシャワーを浴びるなどが効果的です。かゆみが長引く場合や広範囲に及ぶ場合は、自己判断せず皮膚科を受診してください。
陰部のかゆみはどの診療科を受診すればいいですか?
陰部のかゆみに市販薬は使えますか?
原因によって異なるため、自己判断で使うのは危険です。
以前に医療機関で「膣カンジダ」と診断され、同じような症状が繰り返し出ている場合には、市販の抗真菌薬クリームが選択肢となることもあります。
それ以外の場合は、市販薬でかえって悪化したり、治療が遅れることもあるため、まずは医師にご相談いただくことをおすすめします。
妊娠中に陰部がかゆくなる原因はなんですか?
妊娠中は「膣カンジダ」にかかりやすくなります。かゆみを感じたらすぐに医師に相談しましょう。ただし、妊娠中のかゆみ=カンジダとは限りません。
陰部のかゆみにワセリンを塗ってもいいですか?
肌の乾燥予防として有効です。ただし、粘膜部分への塗布は避けてください。保湿してもかゆみが続く場合は、他の原因の可能性があるため医療機関で相談してください。
陰部のかゆみにオロナインは塗ってもいいですか?
オロナイン軟膏は、軽いすり傷やにきびなどに用いるお薬で、デリケートゾーン(粘膜部分やその周囲の広い範囲)には適していません。
症状によってはかえってしみたり、悪化することもあるため、陰部のかゆみへの使用はおすすめできません。
陰部のかゆみは我慢すべきですか?
我慢せず、早めに対処することが大切です。
かきすぎると黒ずみや傷の原因となり、さらにかゆみが強くなる悪循環に陥ることがあります。気になる症状が続く場合は、自己判断せず受診してください。

