頻尿とは
排尿回数には個人差がありますが、一般的には、昼間、つまり起床から就寝までの排尿回数が8回以上の場合を「頻尿」といいます。
また、夜間に尿意のために1回以上目が覚めて排尿する場合は、「夜間頻尿」と呼ばれます。
頻尿では、単にトイレの回数が多いだけでなく、急にトイレに行きたくなって我慢しにくい「尿意切迫感」を伴うこともあります。
以下の動画で夜間頻尿について詳しく解説しております。
日常生活でみられる症状
- 仕事中に1時間に1回ほどトイレに行きたくなる
- トイレに行ったばかりなのに、すぐまた行きたくなる
- 水の音を聞いたり、水に触れたりするとトイレに行きたくなる
外出時のお悩み
- 外出先でトイレの場所がわからないと不安になる
- 電車に乗っているときにトイレに行きたくなり、何度か途中下車してしまう
- 車やバスでの移動中、トイレがないことが気になって緊張してしまう
- トイレが心配で、バス旅行やツアーへの参加をためらってしまう
趣味や楽しみへの影響
- 映画やコンサート、スポーツ観戦中など何度もトイレに立ってしまう
- トイレの心配から外出を控えるようになった
このように、頻尿は日常生活や楽しみに大きな影響を及ぼすことがあります。「年齢のせい」とあきらめず、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
頻尿を引き起こすよくある疾患
膀胱炎
尿道から侵入した細菌が膀胱に感染して炎症を起こします。免疫力が低下していると感染しやすく、女性に多く見られます。治療を途中でやめると慢性化し、再発を繰り返すことがあります。症状が軽くても慢性化している場合は腎機能に影響することがあるため、適切な治療が必要です。
過活動膀胱
過活動膀胱とは、膀胱が過敏になることで、急に強い尿意が起こって我慢しにくくなる状態(尿意切迫感)です。頻尿や夜間頻尿を伴うことが多く、時にトイレに間に合わず尿が漏れてしまうこともあります。加齢や膀胱の過敏、神経の乱れなどが関係すると考えられます。
当院では、尿漏れや膣のゆるみのお悩みに対して、治療機器「ペルーナ」をご用意しております。お気軽にご相談ください。
前立腺肥大症
男性の前立腺は加齢により大きくなりやすく、膀胱の出口を圧迫して排尿障害を起こします。
頻尿以外にも、尿の勢いが弱い、途中で途切れる、残尿感、尿が出にくいなどの症状があります。悪化すると尿が出なくなることもあるため、前立腺がんとの区別のためにも検査が必要です。当院ではWAVE手術にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
骨盤臓器脱
女性の子宮や膀胱、直腸などの臓器が骨盤底筋群の弱まりで下がってしまう状態です。
頻尿、排尿しにくい、尿意切迫感、尿漏れなどを引き起こすことがあります。進行すると膣から臓器が脱出することもありますが、保存療法や手術で改善可能です。
その他の頻尿の原因
ストレス
不安や緊張などのストレスによって、膀胱にあまり尿がたまっていなくてもトイレに行きたくなることがあります。また、「すぐにトイレへ行けないかもしれない」という状況が続くことで、尿意をより強く感じることもあります。
利尿作用のある飲食物・膀胱を刺激しやすい飲食物
カフェインやアルコールを含む飲み物は、尿量を増やしたり、膀胱を刺激したりすることで、トイレが近くなる原因になることがあります。
また、炭酸飲料、酸味の強いもの、辛いもの、トマトなどは、人によって尿意切迫感や頻尿を悪化させることがあります。
たとえば、次のような飲食物には注意が必要です。
- カフェインを含むもの:コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、エナジードリンク など
- アルコール:ビール、ワイン、日本酒、焼酎 など
- 膀胱を刺激しやすいもの:炭酸飲料、柑橘類、辛い食べ物、酸味の強い食べ物 など
- 水分量や摂取量に注意したいもの:スープ類、果物、水分を多く含む食品など
特にエナジードリンクはカフェインを多く含むことがあり、摂りすぎると頻尿や尿意切迫感につながることがあります。
ただし、これらをすべて完全に避ける必要はありません。まずは、ご自身の症状と飲食物の関係を確認しながら、摂取量やタイミングを調整することが大切です。
加齢
年齢を重ねると膀胱の弾力が低下し、尿をためられる量が少なくなるため、頻尿になりやすくなります。また、夜間に尿を濃縮してためるホルモンの働きが低下しやすくなるため、夜間頻尿がみられることもあります。
頻尿の検査
尿検査
尿検査は泌尿器科でとても重要な検査です。尿の通り道にがん細胞や細菌がないかを調べます。また、赤血球や白血球が尿に含まれていないかも確認します。通常、尿は無菌であり、赤血球や白血球は含まれません。そのため、これらが検出された場合は、何らかの病気の可能性があるため、詳しい検査が必要になります。
血液検査
血液検査では、体の炎症や貧血の有無、腎臓の働きや体の塩分・水分のバランスに問題がないかを調べます。さらに、男性の場合は前立腺がんを調べるためにPSAの採血も行います。
超音波検査
お腹の上から超音波(エコー)をあてて、膀胱や前立腺の状態、尿管結石の有無などを調べます。
痛みはなく、放射線を使用しないため、被ばくの心配がなく、身体への負担も少ない検査です。
排尿日誌
排尿日誌は、頻尿の原因を調べる上で非常に役立ちます。例えば、日中の尿の量が1回50ml以下なのか、300〜400mlあるのかで、原因が変わります。
- 1回50ml以下:膀胱に尿をためられない「蓄尿障害」の可能性
- 1回300〜400ml以上:水分のとりすぎやホルモン異常の可能性
頻尿の治療
薬物療法
頻尿の治療では、まずお薬による治療を行い、症状の改善を目指します。ただし、お薬には副作用がみられることもあるため、症状や体質、基礎疾患に応じて適切に選択することが大切です。特に前立腺肥大症のある方では注意が必要な場合もあるため、必ず医師の指示に従って服用してください。
運動療法
頻尿や尿漏れの背景には、骨盤底筋のゆるみや膀胱の機能低下が関係していることがあります。
代表的な方法には、次のようなものがあります。
- 膀胱訓練:尿意を少し我慢する時間を徐々に延ばし、膀胱に尿をためる力を高めていく方法です。
- 骨盤底筋体操:ゆるんだ骨盤底筋を鍛え、頻尿や尿漏れの改善を目指す方法です。
軽症の場合は、こうした方法で症状の改善が期待できることがあります。また、症状が強い場合でも、お薬やほかの治療と組み合わせて行うことで、より効果が期待できることがあります。
その他の治療
頻尿や尿漏れの症状が強い場合、または薬物療法や運動療法を行っても十分な改善が得られない場合には、症状や原因に応じて、ほかの治療を検討することがあります。
たとえば、骨盤底に磁気刺激を加え、骨盤底筋や神経にはたらきかける治療があります。
当院では、骨盤底筋に関するお悩みに対して、治療機器「ペルーナ」をご用意しております。ペルーナは、磁気刺激によって骨盤底筋の収縮を促し、骨盤底筋を効率よく鍛えることを目指す治療機器です。尿漏れや頻尿、骨盤底筋のゆるみなどでお悩みの方に対して、症状に応じてご提案いたします。
また、症状や原因によっては、レーザーを用いた治療や、尿道・膀胱を支える手術などが検討されることもあります。
当院では、患者さまの症状や生活状況を丁寧に確認し、一人ひとりに合った治療方針をご提案いたします。
頻尿や尿漏れは、「年齢のせい」と思って我慢される方も少なくありません。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問
トイレの回数が少ない場合は心配ないですか?
急激な体重増加がなければ、尿量はある程度保たれている可能性があります。
ただし、実際の排尿の状態は、排尿日誌をつけたり、超音波検査で残尿量を確認したりすることで、より正確に把握できます。
気になる症状がある場合は、一度ご相談ください。
自分で頻尿を改善する方法はありますか?
日中だけ頻尿になる場合はありますか?
緊張や不安による心因性の頻尿や、水分の過剰摂取も考えられます。問診や排尿日誌で原因を確認します。
頻尿を抑える食べ物はありますか?
特定の食べ物だけで頻尿を改善することは難しいとされています。
一方で、症状を悪化させる可能性のある食べ物や飲み物には注意が必要です。
たとえば、カフェインを含む飲み物、アルコール、香辛料の強い食べ物などは、膀胱を刺激して症状を悪化させることがあります。
夜だけ頻尿になる場合はありますか?
泌尿器科の病気だけでなく、加齢による抗利尿ホルモンの減少、高血圧や睡眠時無呼吸症候群、心不全の初期症状なども関係することがあります。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、尿に糖が出ることで水分も一緒に排出されやすくなり、尿の量や回数が増えることがあります。
頻尿の原因を調べるために、必要に応じてCT検査を行うことがあります。CT検査では、腎臓・尿管・膀胱などの状態を詳しく確認することができます。
